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大宮(埼玉)のボイストレーニング NOPPO MUSIC SCHOOL

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レコーディング・エンジニア, DTM

「なんとなく」では完成しない! 曲の設計図のススメ

挨拶文

こんにちは!NOPPO MUSIC SCHOOLの曽我です。

11月はブラックフライデーで、DTMがアツい月間でございました!!!

私はIK MultimediaのTONEX PEDALを導入しました。(ちなみに、ブラックフライデーのセールの恩恵は全くありませんでした)

今回は、曲作りやアレンジで迷子にならないためのとても大事なポイントについてお話しします。

「良いリフやフレーズはできたのに、その後の展開が決められない」「作曲の途中で、自分が何を作りたいのか分からなくなってしまった」などのお悩みは、あなたに才能がないのではなく、「曲の設計図」がないまま作業を始めてしまったことが原因かもしれません。

作詞・作曲・編曲、さらにはミックスやマスタリングに至るまで、曲の設計図があれば迷わずに作業することができます。

もちろん完璧な道のりを描く必要はありません。

なんとなくでも方向性を決めることで、制作が格段に楽しくなります。

この記事を通して、ぜひ曲作りの設計図について考えていただければ幸いです!

作曲を始める前に決めるべき「3つのW」

曲作りを成功に導くためには、技術的なことよりも、まず曲の「核」となる軸を定めることが重要です。

5W1Hという質問の枠がありますが、まずは以下の3つの質問だけでよいので、ゆるく答えることから始めてみましょう!

・What(何を伝えたいか)

これが最も重要な質問です。

「楽しさ」「憂鬱」「都会の喧騒」「雨上がりの静けさ」など、曲全体を通して聴き手に伝えたい感情や、描きたい風景を一つ決めてみましょう。

この感情が、メロディやコード、音色を選ぶ際の判断基準となります。

・Who(誰に聴かせたいか)

ターゲット層を具体的にイメージします。

「深夜にSNSを眺めている10代のリスナー」や「ドライブ中にリラックスしたいビジネスパーソン」など、誰かの特定のシチュエーションを思い浮かべるだけで、曲のトーンや長さ、音の質感が自然と決まってきます。

・Where(どこに連れて行きたいか)

曲を聴き終わった後、聴き手がどんな気持ちになっていてほしいか?

「元気になってほしい」「静かに余韻に浸ってほしい」など、曲のゴールとなる感情を定めることが、アウトロ(曲の終わり方)を決めるヒントにもなります。

これらの問いに答えることで、あなたの漠然とした「なんとなく」のアイデアが、具体的な「設計図」へと変わります。

とりあえず作り出してから考えるのももちろん大丈夫です!

制作を進めながら、後から見えてくるテーマもあります。

いずれの場合も、完成に向かうためには制作の方向が必要だということです。

「方向性」をDAWの設定に落とし込む方法

「感情」や「風景」といった漠然としたイメージを、DAW上で実際に音にするための、具体的な設定への落とし込み方を解説します。

・テンポと拍子

「落ち着いた曲」ならBPM(テンポ)を100以下に、「激しい曲」なら140以上に設定するなど、曲のエネルギーの方向性を決めます。

ここがブレると、曲のノリ全体が不安定になるので、早めに決めましょう。

・メジャーかマイナーか

曲の全体的なトーンが「明るい(メジャー)」のか「暗い・切ない(マイナー)」のか、事前に決めておきましょう。

これが決まるだけで、コードの選択肢が絞られ、最初のコード進行を考えるのが格段に楽になります。

・メイン楽器と編成の制限

初めは、「今回はシンセサイザーとドラムだけで構成する」「ピアノとストリングスを主軸にする」など、あえて使用する楽器を最小限に制限することをお勧めします。

少ない編成で作り始めてから、合う楽器を足していくことで、方向性を見失いにくくなります。

「設計図」があるからこそ生まれる創造性

「方向性を決めるなんて、自由に作れなくなるのでは?」と心配になるかもしれません。

しかし、実はその逆です。

ある程度の「設計図」があるからこそ、あなたの創造性はより発揮されます。

例えば、「BPM120、マイナーキーで、ホーンセクションを主役にした、都会の夜の寂しさを表現する曲」という方向性が決まっていれば、あなたはもう音色やアレンジで迷う時間が激減します。

あとはこの制約の中で、「どんなベースラインが一番寂しさを表現できるか?」「どんなリバーブが都会の夜の広さを表現できるか?」という、より本質的なアイデア出しに集中できるのです。

制作の途中で方向性がブレそうになったときも、この「3つのW」に立ち返ることで、すぐに軌道修正ができます。

「なんとなく」DAWを開くのをやめ、まずは曲の「目的地」を決めてみましょう。

完璧な設計図は必要ないので、まずは、あなたが作った曲が、誰かの心に届き、どこかのシチュエーションで響くための「ゆるやかな方向性」を決めてみてください!

最後までお読み頂きありがとうございました!

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