こんにちは!
NOPPO MUSIC SCHOOLです!
歌やセリフを録音したとき、
「実際に聞いている声よりも、録音すると音が悪く感じる……」
「高いマイクを買えば、もっと良い音で録れる?」
「コンデンサーマイクを使っているのに、プロのような音にならない!」
と感じたことはありませんか?
録音の音質を良くするためには、マイク選びはもちろん重要です。
しかし、「高価なマイクを使う=高音質になる」というほど単純ではありません。
マイクの種類、声との相性、マイクとの距離、部屋の反響、ノイズ、オーディオインターフェース、録音レベルなど、さまざまな要素によって最終的な音質は決まります。
今回は「できるだけ良い音で歌やセリフを録音する」ということを重視して、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違いから、ポップガード、リフレクションフィルターまで詳しく解説します!
そもそもマイクはどのように声を録音しているのか

マイクは、声や楽器によって発生した空気の振動を電気信号へ変換する機器です。
私たちが声を出すと、声帯の振動によって生まれた音が口腔や咽頭などで響き、空気を振動させながら周囲へ伝わります。
マイクはその振動を振動板(ダイアフラム)などで受け取り、電気信号へ変換しています。
つまり、マイクは単純に「声を大きくする機械」ではありません。
声の倍音、息遣い、発音、声量の変化など、マイクに届いた音をどのように電気信号へ変換するかによって、録音される声の印象も変化します。
そのため、高音質な録音を目指すのであれば、まずマイクの特徴を理解することが大切です。
マイクの種類
ダイナミックマイクとは?

ダイナミックマイクは、ライブやカラオケなどで広く使われているマイクです。
一般的なムービングコイル型では、振動板につながったコイルが磁界の中で動くことで電気信号を作ります。
丈夫で扱いやすく、大きな音にも対応しやすいことから、ライブボーカルとの相性に優れています。
また、ボーカル用の単一指向性モデルを口元に適切に近づけて使用すると、周囲の音に対して自分の声を大きく収録しやすくなります。
そのため、
・部屋の反響が大きい
・PCやエアコンなどの生活音がある
・完全な防音環境ではない
といった宅録環境では、ダイナミックマイクのほうが結果的にクリアな音になる場合もあります。
コンデンサーマイクとは?

コンデンサーマイクは、レコーディングスタジオなどで広く使われています。
一般的に感度が高く、
・声の倍音
・息遣い
・声の立ち上がり
・小さな音量変化
・語尾のニュアンス
などを細かく収録しやすいことが特徴です。
そのため、録音環境が整っているのであれば、歌やセリフを高音質で収録するうえで非常に有力な選択肢になります。
一方で、その高い感度によって部屋の反響や生活音なども目立ちやすくなる場合があります。
コンデンサーマイクの性能を活かすためには、マイクだけでなく録音環境を整えることが重要です。
高音質を求めるならどちらがおすすめ?
防音・吸音された静かな環境で、歌やセリフの細かなニュアンスまで収録したいのであれば、コンデンサーマイクは非常に有力です。
しかし、自宅の普通の部屋で録音するのであれば、必ずしもコンデンサーマイクが最適とは限りません。
例えば、
「フローリングで声が響く」
「窓が大きい」
「エアコンやPCの音が聞こえる」
「外を走る車の音が入る」
といった環境では、感度の高いコンデンサーマイクを使用することで、不要な音まで録音されてしまう可能性があります。
このような場合は、ダイナミックマイクを近めに使用して、声と不要な環境音とのレベル差を大きくするほうがクリアに録音できることもあります。
つまり、高音質を目指すなら、
「どちらのマイクが高性能か」ではなく、「自分の環境でどちらが必要な音をきれいに収録できるか」
で判断することが重要です。
よりマイクについて知りたい方は「ボーカルコース」へ!高音質で録音するポイント
歌を高音質で録音するポイント
歌では、
・倍音
・息遣い
・声の立ち上がり
・ビブラート
・強弱
など、さまざまな要素が音楽的な表現につながります。
そのため、静かな環境ではコンデンサーマイクがよく使用されます。
しかし、歌はセリフ以上に声量差が大きくなることがあります。
Aメロでは小さく歌っていたのに、サビで、「バーン!」と一気に声量が上がることもあります。
そこで重要なのがマイクとの距離と録音レベルです。
大きな声を出した瞬間に入力が限界を超えてクリッピングしてしまうと、後から音量を下げても元のきれいな音には戻せません。
最も大きく歌う部分でも余裕が残るように、事前にゲインを調整しておきましょう。
セリフを高音質で録音するポイント
ナレーションやセリフでは、声質だけでなく言葉の明瞭さが重要です。
「パ・バ」などの破裂音、「サ・シ」などの歯擦音、息遣い、リップノイズ、口の開閉音など、マイクを近づけるほど細かな音まで録音されます。
また、セリフではマイクとの距離が変化すると、音量だけでなく声の低域や音色まで変化することがあります。
そのため、一定の音質を保ちたい場合は、マイクとの距離や角度をできるだけ安定させることが重要です。
高音質な録音にポップガードが重要な理由
コンデンサーマイクで歌やセリフを録音するなら、ポップガードは非常に役立ちます。
「パ」「バ」などを発音したとき、口から瞬間的に強い空気が出ます。
この空気がマイクの振動板へ直接当たると、「ボフッ!」という低域の大きなポップノイズが発生することがあります。
一度大きなポップノイズが入ってしまうと、編集で自然に取り除くのが難しい場合があります。
そこで、口 → ポップガード → マイクという位置関係を作り、強い空気が直接マイクへ当たるのを防ぎます。
ポップガードは音質を劇的に向上させるエフェクターではありません。
しかし、良い状態で録音するための失敗を減らしてくれるアイテムとして非常に重要です。
リフレクションフィルターで部屋鳴りを抑える

自宅録音で音質を悪くする大きな原因の一つが、部屋の反響音です。
声はマイクへ直接届くだけではありません。
壁、天井、床、窓などにぶつかって反射し、その音も少し遅れてマイクへ到達します。
その結果、「声が遠い」、「響きすぎる」、「録音すると素人っぽく聞こえる」と感じることがあります。
リフレクションフィルターは、マイク周辺の反射音を軽減するために使用します。
特に吸音されていない部屋でコンデンサーマイクを使用する場合には、試す価値があります。
ただし、リフレクションフィルターだけで部屋全体の反響を処理できるわけではありません。
話し手の背後の壁などからマイク正面へ戻ってくる反射音もあるため、部屋そのものの吸音も考える必要があります。
高音質を目指すなら「遮音」と「吸音」を分けて考える
録音環境を整えるときには、
遮音=外部との音の出入りを減らす
吸音=部屋の中で発生する反射を減らす
と覚えておきましょう。
例えば、壁に吸音スポンジを大量に貼っても、外を走っている車の音が聞こえなくなるとは限りません。
反対に、外部からの音をしっかり遮断できても、部屋の中が硬い壁ばかりなら声が反響してしまう可能性があります。
どうしても宅録で音質が改善されない場合は、簡易防音室を作成することもおすすめです。
クローゼットの四方に吸音材を敷き詰め、床と天井にも布を張るだけでも十分な防音環境を整えることが出来ます。
高音質なボーカル・セリフ収録には、「静かで、余計な響きが少ない環境」を作ることが理想です。
自宅でできる音質の改善方法

部屋鳴りやノイズの改善
まずは部屋で手を叩いてみましょう。
「パン!」という音の後に反響が強く聞こえるのであれば、録音にもその響きが入りやすい可能性があります。
厚手のカーテン、ラグ、適切な吸音材などを利用して、硬い面から発生する反射を減らしていきます。
また、窓のサッシドア下ドア枠などの隙間は外部ノイズが入り込む経路になることがあります。
遮音性を高めたい場合には、隙間対策や内窓なども選択肢になります。
本格的な声量で歌うのであれば、防音ブースなどを検討する方法もあります。
マイクとの距離で音質は大きく変わる
実は、マイクを買い替える前に試してほしいのがマイクとの距離を変えることです。
例えば、単一指向性マイクでは、マイクへ近づくほど近接効果によって低音が強調される製品があります。
近すぎれば、「低音が強すぎる」、「息が当たる」、「口の音が目立つ」という問題が発生する可能性があります。
反対に離れすぎると、「声が小さい」、「部屋鳴りが目立つ」、「環境音とのレベル差が小さくなる」という問題が起こりやすくなります。
まずは10〜20cm程度を一つの目安として録音し、そこから自分の声とマイクに合わせて少しずつ調整してみましょう。
マイクの角度も調整してみよう
マイクは真正面から声を入れれば必ず最高音質になるとは限りません。
破裂音が強い場合には、マイクを口の真正面から少しずらすことで、強い空気が振動板へ直接当たりにくくなります。
マイクを数cm動かしたり、角度を少し変えたりするだけでも録音結果は変化します。
高価な機材を追加する前に試してみたいポイントです。
オーディオインターフェースと音質の関係
XLR接続のマイクをパソコンなどへ録音する場合には、オーディオインターフェースがよく使用されます。
オーディオインターフェースには、マイクから届いた小さな信号を増幅するマイクプリアンプや、アナログ信号をデジタル信号へ変換する機能などが搭載されています。
もちろん品質は録音に関係しますが、現在の一般的な製品では、宅録用途で十分な性能を持つものも多くあります。
そのため、限られた予算で高音質を目指す場合、高級なオーディオインターフェースへ交換する前に、マイク位置や部屋の反響、ノイズを改善したほうが効果を感じやすいケースもあります。
高いマイクを買えば高音質になるのか
高価なマイクには、優れた性能や個性的な音色を持つ製品がたくさんあります。
しかし、録音環境が悪い状態でマイクだけを高級なものへ変更しても、その性能を十分に活かせない可能性があります。
むしろ高感度なマイクによって、「エアコンの音が目立つ」「部屋の反響が気になる」「PCのファンまで聞こえる」ということもあります。
高音質を目指すなら、
①静かな環境を作る
↓
②部屋の余計な反響を減らす
↓
③マイクの位置・距離・角度を調整する
↓
④適切なゲインで録音する
↓
⑤自分の声に合ったマイクを選ぶ
という順番で考えてみましょう。
マイクについてよくある質問
高いマイクに交換すればプロのような音になりますか?
A. マイクだけでは決まりません。
勿論収録した音声は、安いマイクよりも高品質になります。
部屋の反響、マイクとの距離、録音レベル、発声、編集なども最終的な音質に大きく影響します。
高価なマイクほど、その性能を活かせる録音環境も重要になります。
予算を抑えて防音できる方法はありますか?
A. 後ろに毛布を掛けてみましょう。
背中側の反響が、部屋鳴りとしてノイズになることがあります。
ハンガーラックに毛布を掛け、後ろにおいておくと良いノイズ対策になります。
有り・無しで比べると、より音質の変化を実感できると思います。
歌とセリフで別々のマイクを買ったほうが高音質になりますか?
A. 必ずしも必要ありません。
一本の高品質なマイクで歌とセリフの両方を録音することもできます。
歌では倍音やダイナミクス、セリフでは明瞭度や音色の安定性など、それぞれの目的に合わせて距離や角度、ゲインを調整することが重要です。
高音質な録音は「マイク+環境+録り方」で決まる

歌やセリフを高音質で録音したいと考えると、どうしても、
「もっと高いマイクが必要なのでは?」
と考えてしまいがちです。
しかし、録音される音はマイクだけで決まるものではありません。
マイクの性能を最大限活かすためには、録音環境と録り方が非常に重要です。
どれだけ高性能なコンデンサーマイクを使っても、部屋の反響や生活音が大量に入っていれば、その性能を十分に活かすことはできません。
反対に、適切なマイクを選び、部屋の反響を整え、マイクとの距離や角度、ゲインを調整することで、現在持っている機材でも録音品質を改善できる可能性があります。
高音質を目指すなら、
「高いマイクを買うこと」だけではなく、「良い状態の声だけを、できるだけきれいにマイクへ届けること」
を意識してみてください。
録音した自分の声を何度も聞き比べながら、マイクの位置を数cmずつ変えていく。
そんな小さな調整が、理想の歌声やセリフを録音するための大きな一歩になります!
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