こんにちは!
NOPPO MUSIC SCHOOL
です!
現在、日本の音楽界を席巻している、「Mrs.GREEN APPLE」(以下「ミセス」)

ここ数年ヒットナンバーを連発し、「ケセラセラ」、「ライラック」は日本レコード大賞にも選ばれました。
ドラマやアニメへのタイアップ、またライブもチケットは即完売と、その人気はとどまることを知りません。
そんなミセスを引っ張るのが、「大森元貴」さんです。
ボーカル、ギターを務め、楽曲の作詞作曲も担当しており、近年では俳優として映画にも出演したりと、その才能はとどまることを知りません。
ミセスが人気な理由は楽曲のクオリティやライブパフォーマンスもあります。
その一つ、大森元貴さんの「歌唱力」は、近年のバンドボーカルの中でも一線を画すところがあります。
そこで今回は、Mrs.GREEN APPLEボーカルの大森元貴さん、その「歌声の魅力」について現役ボイストレーナーが発声、テクニックの観点から解説していきます!
自身の声の出し方、また表現方法のブラッシュアップに、ぜひ繋がればと思います。
では、参りましょう!
【Mrs.GREEN APPLE】大森元貴のプロフィールと経歴|歌唱力を支える原点とは
大森元貴の基本プロフィール|年齢・出身地・音楽活動まとめ

・ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE」にてボーカル、ギター、作詞作曲、を担当。
ほかにも、ソロとしてシンガーソングライター、俳優、編曲家としても活動する。
・1996年〈平成8年〉9月14日生まれ
・東京都西東京市出身。
大森元貴の来歴と音楽を始めたきっかけ|バンド結成からメジャーデビューまで
・小学六年生の時に、MONGOL800に憧れ、同級生らとバンドを結成。
作曲も同時期に始める。
・2013年、若井滉斗(ギター)、山中綾華(ドラムス)、松尾拓海(ベース), 藤澤涼架(キーボードとともに Mrs. GREEN APPLEを結成。
・2015年、ミニアルバム『Variety』をリリースとともにメジャーデビュー。
その後積極的にライブ活動を続け、「WanteD! WanteD!」、「青と夏」、「僕のこと」など、ヒットナンバーをリリース。
・2020年、一度活動休止。
その後若井滉斗と藤澤涼架とともに、3人体制として活動再開。
・2023年「ケセラセラ」、2024年「ライラック」、2025年「ダーリン」にて、3年連続レコード大賞受賞
「ケセラセラ」 2023年
「ライラック」 2024年
「ダーリン」 2025年
・同年、映画『#真相をお話しします』にて俳優デビュー。

小学6年生と、若くして音楽を始めた大森さん。
大森「僕はあえて通信制を選んで、高校生のあいだにしっかりデビューというかたちにしようとしていたんです」
記事引用:CREA
高校生時からのデビューを目指し、一人で音楽を作り続けていました。
そこから、またバンドとして活動したいという思いが強くなり、Mrs. GREEN APPLEを結成します。
「僕は『そこそこでいいじゃん』みたいな奴らが大っ嫌いでした。まぁ自分がそういう人たちをケッて思っていた分、向こうからしてもわりとめんどくさいタイプだったと思います。今となってはもう腹が立つ次元は卒業しているんですけど近くにいたら…やっぱり苦手でしょうね」
記事引用:歌ネット
中途半端なことが嫌いな大森さん。
そのプロフェッショナルさは、今の音楽シーンをけん引する歌唱力、音楽性の一番の原動力なのかもしれません。
【ミセス】大森元貴の歌の魅力➀ 発声
昨今、ボーカリストの歌唱力は男女問わず、次々にハイレベルな物となっています。
とくに、ハイトーンの技術向上はすさまじく、男性でも女性キーで歌うのが当たり前になってきました。
その中でも、大森さんの発声は、随一です。
大森元貴の発声:G5に到達するハイトーン、広い音域
ミセスの代名詞ともいえる、ハイトーン。
音域は、通常のポップスならG4、A4が最高音のところ、その一オクターブ高いG5まで及びます。
大森さんの凄いところは、これが繊細なファルセットだけでなく、力強いヘッドボイスへと縦横無尽に扱えるところです。
勿論フェイク(アドリブ的なフレーズ)としてこのキーを力強く歌唱するアーティストもいますが。
ミセスではメロディーの中にこれらのキーが当たり前に登場します。
大森さんはライブでも難なく歌い上げています。
よりハイトーンを出したい方は、「高音ボイトレコース」へ!「僕のこと」 2019年
1番サビ「あ~【あ~】なんて~すて~きな~ひだ~」
また、大森さんがふと出す低音にも、ぐっと引き込まれてしまう力があります。
「天国」2025年
Aメロ「あな~たの~ことが~【ゆる~せない~】」
音域はE3からF#5と、2オクターブ以上を要し、ただ歌うだけでもかなりハードルが高い一曲です。
大森元貴の発声:音程の安定感
彼のピッチの安定感は、ボーカリストの中でも随一です。
また、安定感や聴きやすさには実は「音程」に秘密があります。
音程は、一秒間に何回振動しているのかという「周波数」(Hz)によって音階が決められております。
例 A4(HiA): 440Hz
(WanteD!WanteD!の地声最高音)
「WanteD!WanteD!」2017年
音が高くなるごとに1音ごとの周波数の差は大きくなり、
1オクターブ高くなるごとに、周波数は倍になっていきます。
歌における音程は、この周波数を細かく分けることができ、
例えばA4の音。
ピッタリ440Hzで合わせるのではなく、人によって430Hz、450Hzと取る場合があります。
440Hzより低く取りすぎている音程を「ぶら下がっている」、高く取りすぎている音程を「上ずっている」と言います。
ある程度の範疇を超えると、正しい音程から外れてしまい聞こえが良くありません。
しかし、歌唱における音程は「少し高く取る」ほうが聞こえが良いとされています。
周波数は、442Hzから448Hz。
音程をこの範囲の周波数でとると、「通常より明るい声色」に聴かせることができます。
大森さんは、この442Hzから448Hzをどの音程でも常にキープしています。
この細かい周波数の中でも大きくブレがあると不安定に聴こえてしまいますが、
大森さんの歌声は、常に一定の周波数を保っています。
しかもミセスの楽曲は、音程の跳躍(隣り合った音程に高低差があること)の激しい楽曲がほとんどです。
ただ歌うだけでも至難とされているものを、聴きやすい音程と安定感で歌い上げています。
大森元貴の発声の仕組みを発声学から紐解く
大森さんの発声の特徴は、「顔の骨格」、そして「共鳴腔の大きさ」、「声帯運動の柔軟さ」にあります。
顔の骨格。
大森さんの顔写真を見ると、口角がかなり高い位置にあることが見て取れます。

引用:ピンズバNEWS
この骨格の方は、常に声を鼻腔(副鼻腔)に響かせて話す傾向があり、また声帯を引き上げた状態を保っています。
ハイトーンを出す際に欠かせないのが、「声帯を引き伸ばす」事。
声帯は伸縮が可能で、ハイトーンを歌う際には引き伸ばされ薄くすることで、高い周波数を発します。
常に声帯を引き上げる筋肉が比較的稼働しやすいため、通常よりハイトーンが扱いやすいと思われます。
上側に引き上げる動きは明るい音程をとることも助けるので、平行して明るい音色を実現することもできます。
また、鼻腔共鳴によって生まれる高い周波数「シンガーズフォルマント(3000Hz帯)」も発声しやすく、より響く強力な声の鳴りを実現しています。
そして大森さんの発声の秘密として、元の骨格以上に「卓越した発声技術」があります。
先述にもありますが、大森さんはすさまじい安定感の中で「ヘッドボイス」、「ファルセット」、「ミックスボイス」、「チェストボイス」と様々な声を使い分けています。
・ヘッドボイス:響きをもった力強いハイトーン。
よりダイナミックに聴かせたいフレーズに使用。
声帯の引き上げと、強い閉鎖によって発声する。
・ファルセット:息の混じった繊細なハイトーン・ミドルの声。
印象的なフレーズを作る際に使用する。
声帯の引き上げと、比較的弱い閉鎖により発声する。
ピッチが不安定になりやすいため、息のバランスが重要。
・ミックスボイス:安定した、メロディーのベースとなる声。
大森さんの場合、楽曲によって強弱を使い分けている。
声帯の引き上げと、バランスの取れた閉鎖が必要。
強すぎず弱すぎず、自身の声が安定することが目標となる。
・チェストボイス:力強い、話し声に近い声。
ラウドロック(叫ぶような歌唱)に近いニュアンスを出す際に使用する。
強い声帯閉鎖にあえて多く息の圧をかけ、ガラ付いた音色を演出してあげる必要があります。
特徴的な声質があるうえで、ここまで使い分けるボーカリストは中々見つけることができません。
ミセスの楽曲を歌い上げることが難しいのは、この大森さんの多岐に渡るテクニックがあるためだといえます。
では、これらのテクニックはどのように活かされているのでしょうか。
楽曲と照らし合わせながら、見ていきましょう。
より基礎から学びたい方は、「基礎発声コース」へ!【ミセス】大森元貴の歌声の魅力➁ テクニック
大森元貴の歌声の魅力として大きな役割を持つ、「テクニック」。
巧みな技術の上に成る「心を揺さぶる」感情表現は、常に我々を感動させてくれます。
そして大森さんは、一つの音色にこだわらず様々なアプローチで複雑な楽曲を歌い上げています。
大森元貴のテクニック➀~クリーンでストレートなミックスボイス~
ミセスの楽曲には、ポップソングが多く収録されています。
ポップソングたる所以、楽器の音色や曲の構成に加え、大森さんの歌声も大きく影響しています。
雑味がなく力強い真っすぐとしたその歌声は、ミセスの顔ともいえるでしょう。
また、ミセスの楽曲には「影」が潜んでいます。
ただキャッチ―なだけでなく、鬱屈を抱えている人にも寄り添った、そんな 要素が楽曲に含まれます。
クリーンさとのギャップ。
そのコントラストを、楽しんでみましょう。
「インフェルノ」 2019年
「青と夏」 2019年
大森元貴の歌唱テクニック➁~軽やかなヘッドボイス・ファルセットによる、讃美歌のような壮大さ~
大森さんの軽やかなヘッドボイスやファルセットには、壮大なテーマを根拠付ける美しさがあります。
時に、「人の生死」や「生まれてきた意味」など、大きなテーマを取り扱うミセス。
ただ感情任せに歌うのではなく、観客に思いを委ねるような、捧げるような声には思わず感動させられてしまいます。
「soranji」 2022年
「lulu.」 2026年
大森元貴の歌唱テクニック➂~シャウト感のあるチェストボイス~
クリーンに発声する大森さんには、もう一つの顔があります。
それが、荒々しく叫ぶ瞬間です。
発声を度外視した、叫ぶような歌唱は聴く人の心を揺さぶります。
裏切られて悔しい、生きるのが苦しい等、鬱屈な想いを抱えている人の言葉を代弁するかのように、歌唱します。
「ア・プリオリ」 2018年
また、RADWINPS「狭心症」をカバーした際は、普段とはまた違った大森さんの声が聴くことができ、大きな話題を呼びました。
「狭心症」 2025年
大森元貴の歌唱テクニック➃人気の秘密
大森さんの歌唱テクニックの根っこには、「感情のコントロール」が見て取れます。
歌詞や音楽、世界観、観客といったライブを作るうえでの様々な情報を加味したうえで、感情のコントロールを行っています。
よって、全く同じ表現というのはどの歌唱を聴いても見受けられません。
その場その場を生きる表現があるからこそ、「また聴きたい」と思わせる歌声になるのだと考えられます。
ミセスの人気の秘密には、その時にしか味わえない「ライブ感」が大きく影響していると言えるでしょう。

引用:音楽ナタリー(撮影:田中聖太郎写真事務所)
よくある質問
練習すれば、大森さんのように歌えるようになる?
A.テクニックを身に付け、自身の歌声を見つけていきましょう。
テクニックを身に付け、自身の歌声を見つけていきましょう。
声帯や骨格は人それぞれで、大森さんの声そのものになることは難しいです。
全く同じモノマネにはある程度限度があり、もし自身に合わない発声を続けてしまうと、発声障害になる恐れがあります。
そこで、大森さんのテクニックを自身の声に踏襲していくことで、音色や表現の幅を広げていきましょう。
自分なりの表現で歌うことができることが、アーティストたる所以です!
ボイトレで、ミセスの楽曲は歌えるようになりますか?
A.トレーニング次第で、歌えるようになります!
最初は中々ハードルの高い、ミセスの楽曲。
練習したては苦労するかもしれません。
ただ、一つ一つの発声練習を丁寧に行うことで、少しずつ音になっていきます。
自身の音域に近い楽曲から、ぜひアプローチしていきましょう!
ミセスの楽曲を練習していたら喉が痛くなってきた・・・。練習をやめるべきですか?
A.自身に合わない楽曲を練習しているのかもしれません。違う楽曲を練習してみましょう。
極端に音域の広い楽曲やアップテンポの楽曲をいきなり練習してしまうと、喉に負担がかかり上手く発声できなくなってしまいます。
まず、歌いやすい楽曲を選んだり、キーを下げたりすることで、自身の声が十分に出る状態で練習していきましょう。
慣れてきたら、やりたい楽曲にトライ!
焦らず、コツコツ積み重ねることが大切です。
大森元貴の声を知り、歌を楽しもう!

引用:中日スポーツ
ハイレベルな歌唱について細かく知っていくことは、自身の声の成長に繋がります。
まず、良く聴き、細かく真似して、自身の発声に取り入れる。
これからもミセスは、大森さんはよりハイレベルな楽曲を出していくと考えられます。
ぜひ自身のレベルアップのためにも、Mrs.GREEN APPLEをチェックしていきましょう!
ミセスの楽曲を歌えるようになりたい方は、「ボーカルコース」へ!