「なんだか、自分の声ってしゃがれて聞こえる・・・。」
そんな風に感じたことはありませんか?
実は、その声はハスキーボイスという種類の声なのです。
ただ、中には
「小さい頃はこんな声じゃなかったのに・・・」
「ハスキーボイスになりたい!!」
というように、感じることは様々かと思います。
そこで今回は
誰もが気になるハスキーボイスについて徹底解説致します!
このコラムが、あなたのお悩みの解決、また歌を楽しむきっかけになることができれば幸いです。
では、参りましょう!

ハスキーボイスって何?
そもそも、ハスキーボイスとは何なのか?
ハスキーボイスとは、しゃがれた声、かすれた声の事。
嗄声(させい)と近い意味を指しますが、ハスキーボイスという言葉自体は歌のテクニックや声の特徴を表すなど、良い意味で使われることが多いです。
対し嗄声は、声帯ポリープなど疾患により発生する声として用いられることが多いです。
聞こえ方としては、ノイズが混じり不規則的です。
今すぐハスキーボイスを知りたい方はこちら!ハスキーボイスの歌手
ここでは、ハスキーボイスの歌手を上げていきます。
ひとつハスキーボイスといっても、歌手によってその音色は様々です。
聞き比べてみましょう!
- 尾崎豊
男くささあふれる音色。
変声期頃の男子を彷彿とさせる、唯一無二の声です。 - 竹原ピストル
熱量を感じる、パワフルな音色。
歌唱の表現力も評価されています。 - Official髭男dism/藤原聡
柔らかく、安定した高音が印象的です。
歌唱テクニックも随一です。 - アイナ・ジ・エンド
BiSHの元メンバーで、現在はソロにて活動しております。
その特徴的な音色を残すため、声帯結節の手術の際にはその一部をあえて残したという話もあります。
ここに挙げた歌手たち以外にも、様々なアーティストがいます。
沢山の音色を知ることは、あなたの音楽表現の引き出しになります。
是非探してみてください!
ハスキーボイスの原因
ハスキーボイスの原因は、基本的には後天的なものだと言われています。
ハスキーボイスは、声帯の閉鎖の具合と息の流れ方によって生じます。
声は、声帯が息と筋肉の動きによって振動することによって生じます。
声帯は2枚のひだのような器官となっており、その間を息が通ります。
この息の通り道を声門と言います。
声を出す際、声帯はこの声門を閉じようとする動きを見せます。
この動きを声門閉鎖と言います。
この声門閉鎖の具合によって、声の響き方や音色が変化します。
ハスキーの方は、この閉鎖の具合が比較的弱いとされています。
また、声を出す際の息の量が多い時、ハスキーらしい音色に聞こえるのです。
ハスキーボイスとは、「声門閉鎖の具合が弱く、呼気(吐く息)が多い声」ということができます。
声帯の動きだけで声量を出すことが難しい場合があるので、吐く息の量を増やすことで声を大きくしている歌手もいます。
また、後天的に習慣などによって、声質がハスキーになった例もあります。
慢性的に大声を出したり、無理な発声を続けていると、声帯結節やポリープといった疾患に繋がる場合があります。
この状態で発声すると、声帯の振動が不規則的になるため、声にノイズが混じるようになりハスキーな声になります。
こうなると、ファルセットなど声門閉鎖の弱く繊細な声を扱いにくくなります。
この状態が続くと、慢性的にハスキーな声となります。
長い期間にわたる飲酒や喫煙も、これらの原因となります。
今すぐハスキーボイスを知りたい方はこちら!ハスキーという言葉の語源
では、ハスキーという言葉はどこから来ているのか。
実は、ハスキーという言葉は、トウモロコシの皮という意味のhuskから来ていると言われています。
カサカサと乾いた音がすることから、トウモロコシの皮のような声という意味でハスキーボイスと表現されるようになりました。
このことだけ聴くと、中々な言われようです。
では、ハスキーボイスは歌唱においてどのようなメリットがあるのか。
解説していきます。

ハスキーボイスのメリット
ハスキーボイスのメリットは、大きく2つあります。
話し声のような表現ができる
ハスキーボイスを持つ歌手の特徴として、語りのように歌唱を表現する方が多いです。
普段の話し声との乖離が少ないので、言葉が聴衆の心にスッと届く表現が可能です。
特に、尾崎豊さんや竹原ピストルさんは、等身大な詩を、ダイナミックな表現で歌い上げます。
聴いていてついつい心を揺さぶられてしまう。
そんな表現が可能になるのです。
それぞれの個性が特に目立つのも、ハスキーボイスのメリットです。
繊細な表現が効果的に出来る
独特な息の混じった声は、繊細な表現を助けます。
歌唱において、抑揚は欠かせない要素です。
声の通る方は、ついついダイナミックな表現によりがちです。
ハスキーボイスでは、繊細な表現を卓越して歌い上げることができます。
ここに大きな表現も重なれば、メリハリを作ることができ、聴衆を楽しませることができます。
勿論、声の通る方でもトレーニングによって繊細な表現が可能になります。
中には、あえてハスキーな声を作り、演出している歌手もいます。
ここまでメリットを2つ上げましたが、どちらも濃密な訓練が必要です。
自身の声をうまく扱うために、トレーニングを欠かさず行いましょう。
ハスキーボイスのトレーニング
ここでは、トレーニング方法を、ハスキーボイスの方にあった練習、声の通る方がハスキーボイスを作るための練習に分けて解説します。
自分の声と向き合いながら、丁寧に取り組んでみましょう!
ハスキーボイスの方向けのトレーニング
ハスキーの方は、直接的な声量を出すことが比較的苦手です。
しかし、声の持つ倍音が多く、音色としては歌唱に向いています。
この時、ポップスを歌う際はマイクへのアプロ―チを中心に考えましょう。
気持ちマイクの音量を上げ、張らなくてもしっかり聞こえるほどに調節します。
無理に声量を出そうとせず、息の量を調整しながら歌うことで、安定感を身に付けていきましょう。
ゆったりとした曲を繊細に歌い上げることができれば、第一段階はクリアです。
少しずつキーをあげ、またテンポの速い楽曲にも挑戦してみましょう。
また、口角を少しあげながら歌うことで、声帯を引き上げる筋肉が働き、高い声を出しやすくなります。
共鳴腔も広がるので、声も響やすくなります!
ハスキーボイスを作るトレーニング
ハスキーボイスは、「声門閉鎖の具合が弱く、呼気(吐く息)が多い声」です。
まず、「あー」と声を出します。
同じ音のまま段々声量を落とし、柔らかい音を作ります。
この時、声門閉鎖の具合が弱い状態です。
ため息のように息を混ぜていきます。
息を吐きすぎると、声帯が閉じることができず声がでませんので、吐く息の量には注意しましょう。
繊細な音ができれば、ハスキーボイスの完成です!
ただ、これは通常の状態を加工しているので、あまり良い状態だとは言えません。
声の自由度も下がってしまいます。
利用しすぎず、ここぞ!というところで活用しましょう!

ハスキーボイスを知って、己を知る
声質とは、本当に個人様々です。
似ている声はあれど、同じ声というものはありません。
自身の声が何者かを知ることで、どういった楽曲や表現が得意なのか、苦手な分野は何か、判断することができます。
また、適切なトレーニングを選ぶことができ、より歌唱表現の引き出しを増やすことができます!
是非、ご自身の声を、知ってみましょう!
良い歌ライフを!
大宮のボイトレスクール「NOPPO MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンはこちら!